INTERVIEW
突撃👀編集部で噂のあの人【vol.1】日用品愛好家・渡辺平日さんの気になるあれこれ
10月20日の🏮dōzoの日🏮を記念して、dozo編集部が「気になるあの人」にインタビューを実施するこの企画。第1回は、dozoと同じように「いいもの」を見つけるスペシャリスト、日用品愛好家の渡辺平日さん。Twitterなどで素敵&ニッチな日用品情報を発信されている平日さんに、最近気になるアイテムやこれまでの活動についてお話を聞きました!
渡辺平日
日用品愛好家。古物商。大学を卒業後、インテリアショップに就職。仕事を通じて「もの」に対する知識や感性を養う。現在は雑貨やインテリアのレビュー、イベントの開催、プロダクトの開発など、多方面で活躍している。
dō:今日はよろしくお願いします!
平:インタビューを楽しみにしていました。どうぞよろしくお願いします。
dō:「日用品愛好家」っておもしろい肩書きですよね。普段はどのような活動をしているんでしょうか?
平:うーん、強いて言えば消費活動ですかね(笑)。日用品を買って、試して、それが良いものであれば紹介する……というのが基本です。
SNSで情報を発信したり、紙媒体やWEB媒体にエッセーやコラムを寄稿することもあります。
dō:コラム、よく読ませていただいてます。ところで「日用品」ってどんな定義なんでしょう?
平:一般的にはティッシュとか洗剤とか、いわゆる消耗品を想像する方が多いのかな。そういうものだけでなく「毎日使うもの」を日用品としています。つまり雑貨やインテリアも守備範囲です。
dō:なるほど。じゃあ家具なんかも日用品ですね。
平:自分はSNSで「日用雑貨 友の会」というコミュニティを主催しています。ちょっとした会則みたいなものがあって、そのひとつに「ラップからラック(棚)まで語れます」というルールがあります。
dō:分かりやすいし、韻も踏んでていいですね(笑)。今、気になっている日用品はありますか?
平:ずばりスーパーやコンビニのPB(プライベートブランド)ですね。数年前から注目していますが、最もアツいジャンルかもしれません。
個人的にお世話になっているのが西友の《きほんのき》です。安い、シンプル、便利…。そういう日用品に求められる条件をしっかり満たしています。さすがは無印良品を産んだ西友だなって感心しちゃいますね。
消臭ビーズやキッチンクレンザーなど、ニッチなアイテムが多いのもポイントです。消耗品であればだいたい揃うと思いますよ。
dō:まさかのPB…そうきましたか~!でもたしかに、深堀りしたら楽しいジャンルかも。
平:モノタロウのPBとかもおもしろいですよ。イチオシはエアーダスターです。…いや、この話題で連載ができそうなくらい、語りがいのあるテーマですね。
ラスト・クリスマスの部屋に憧れて
dō:やはり小さい頃から「もの」に興味があったんですか?
平:なんとなく興味が出てきたのは小学生5年生くらいだった記憶があります。きっかけとしては…「ラスト・クリスマス」というドラマはご存知ですか? 織田裕二さんと矢田亜希子さんが主演していた。
dō:えーと、たしか20年くらい前のトレンディドラマですよね。
平:そうですそうです。織田裕二さんは都会派の青年という設定で、とにかく部屋がカッコよかったんですね。こう、海外のスチールワゴンなんかを置いて。そういうのを見ているうちに目覚めた感じです。
dō:ドラマがきっかけとは意外です。それから雑貨やインテリアを買い始めたんですか?
平:そう思いますよね。ところが地元には雑貨を扱っているお店は一軒も無かったんです。金魚鉢みたいに小さい町ですから。それでどうしたかというと、お婆ちゃんが農業をやっていたので、納屋から古い小物を掘り出したりしてました。あと、港町なので、浜辺に行ってガラクタを拾ってきたり。
平:こうやって振り返ると、なかなか涙ぐましい努力をしてますね。我ながら。だからというわけじゃないですけど、セレクトショップで小さい子どもを見かけると、ちょっと嫉妬します。「いいなあ。この歳でこんないい店に来れて」って(笑)
dō:(笑)。ものが好きになったきっかけもそうですが、それからの「道のり」もだいぶユニークですね。
無我手流のスタイリング
dō:平日さんのスタイリングって、どこか独特な雰囲気ですよね。これまで独自の道を歩いてきたことと、リンクしているのでしょうか。
平:独自路線って言うとカッコいいですけど、ウロウロしているうちに人とは違う道に迷い込んだ、という感じでしょうか。
dō:インテリアのセレクトの幅が大きいのも、平日さんのスタイリングの特徴だと思います。情報収集で雑誌やSNSを見たりはしますか?
平:いえ、ほとんど見ないです。きっとそういう習慣が身に付かなかったんでしょうね。
今は32歳なんですけど、10年くらい前は『BRUTUS』とか『POPEYE』とか知りませんでしたから。普通だったら雑誌で勉強すると思いますが、自分はなんというか、無手勝流というか……。
そもそも「誰かのマネをしよう」という発想がないんです。マネの仕方がよく分からなくて。
あくまでも自分の考えですが、ものの組み合わせってそれこそ無限にありますよね。でも、誰かのやり方をコピーしちゃうと、バリエーションが減っちゃいますよね。
でも言うまでもなく、勉強のために他人のやり方を取り入れるのはありです。自分だってそういう環境があればそうしてたと思いますね。
dō:なるほど。なんか平日さんの哲学が垣間見えた気がします。
自分は『もの』を紹介したい
dō:ライターとしても活躍されている平日さんですが、文章を書くようになった経緯を聞いてもいいですか?
平:愛媛県の大学を卒業してからすぐ、インテリアショップで働き始めました。だいたい6年くらいかな。そこを辞めてから県外の会社に就職したのですが、ちょっと水が合わなくて、すぐに辞めちゃって。次の仕事のあてもなかったから、Uber Eatsをやって食いつないでいました。
フードデリバリーの仕事って待ち時間がけっこうあるんですよ。暇な時間にぼんやり考え事をしてたら、ふと、「自分は『もの』を紹介したいんだ」と気が付いて。そこから「どうすれば目的を達成できるか?」と考えに考え、ライターという仕事を選んだんです。
当時は「人より多少は文章を書けるかな」という感じだったから、今考えると冷や汗ものです。
dō:なかなかダイナミックな人生ですね…
平:ほとんど蛮勇ですよ。そんな自分を救ってくれたのが、人との縁でした。ライターになってすぐ、北欧暮らしの道具店さんとLaLa Beginさんから執筆の依頼が来たんです。Twitterを見てくださっていたようで、それがオファーのきっかけになったそうです。
おかげでキャリアを積めたし、この仕事が新しい仕事に繋がったりして……。もう感謝してもしきれません。
dō:すごいですね。運もあると思いますが、やはり誠実な活動が評価されたんじゃないでしょうか。
平:そうだったらより嬉しいです。ありきたりな表現ですけど、まさに継続は力なりですね。
いろいろな人が、力を貸してくれた
dō:最近はイベントをよく主催されていますよね。これまで人前に出ることはなかったと思いますが、なにか心境の変化があったのでしょうか。
平:うーん。答えるのが難しいのですが……なんとか言葉にしてみます。まず、自分はライターという仕事が好きです。ささやかながらも誇りを持って取り組んできましたし、これからも書き続けます。
ただ、「文章を書く」ことは、目的ではありません。語弊があるかもですが、あくまでも手段なんです。目的は「ものを紹介すること」ですから。
dō:つまり、ほかにもアプローチがあると。
平:はい。お店を持ったり、製品を作ったりと、できることはまだまだあります。数ある方法のひとつが、イベントだったわけです。お客様に直接、好きなものを紹介する。―これはまさに僕がやりたかったことです。
平:先程、人との縁について話しました。イベントを開くことほど人に助けられるのって、ほかにはまずない気がします。
会場を借りる、出展者を決める、スタッフを募る、フライヤーを作る。そして、お客様に来ていただく。あらゆる分野で、いろいろな人が力を貸してくれました。そういう力添えがなければ、事はうまく運ばなかったと思います。
dōzoとの出会い
平:縁の話が延々と続いて恐縮ですが……(笑)。dōzoとの出会いにも縁を感じました。
dō:おお!ぜひお聞きしたいです。
平:大津萌乃さんやunpisさんなど、友人がdōzoにイラストを提供しているのを見て、興味を持ったんです。
実際にサービスを利用したらとても素敵だなと思って。感想をツイートしたら、dōzoさんが反応してくれて、そこから交流が生まれたんです。
dō:dōzoを立ち上げた直後でしたよね。ツイートを見て嬉しかったのを覚えてます。実際、dōzoを使ってみてどうでしたか?
平:一番良いなと感じたのが、プレゼントをする人が、贈る相手のイメージをもとにテーマを選べる点ですね。これは斬新だし新しいなと感じました。
あれは2年前なので……ちょうどコロナウイルスが猛威を振るっていた頃ですね。誕生日のお祝いを贈りたいのに、買い物には行けない。通販で送るのもちょっと味気ない。そんな時にdōzoを活用しました。
プレゼント選びは友人たちとしたんですけど、もちろん直接は会えないので、メッセージアプリの画面共有機能を利用しました。その時は盛り上がりに盛り上がりましたねえ。
「ちょっとクールな印象だからさ。このテーマにしようよ」とか、「いや。あえてこういうテーマはどう?」みたいな感じで。これって今までに無かった体験だなと思いました。
dō:そうやって活用してもらえるのは嬉しいです。ご友人には喜んでもらえましたか?
平:もちろんです。届いたその日にプレゼントの画像が送られてきました。それに味をしめた、というとなんですけど、それからも何度か利用させてもらって。合計で3回もお世話になってますね。
dō:ヘビーユーザーですね。いつもお世話になってます。
平:いえいえ、こちらこそです。
人とものとを繋げる
平:人生って、ほんと縁がすべてだなって、しみじみ思います。なんだか怪しいセミナーみたいですが、ほんとうにそう感じますね。
繰り返しになりますが、僕のやりたいこと、そしてやるべきことは、ものを紹介することです。それってつまり、「人とものとを繋げる」ということなんだと最近気づきました。これからも目標に向かって、時には回り道をしながら、進んでいくつもりです。
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「人とものとを繋げる」という素敵なキーワード。dōzo編集部もギフトをお届けする者として、しかと心に刻みました!平日さん、内容みっちりの素敵なお話、ありがとうございました!
さて、次回はdōzoの中でも人気のフレグランスキャンドル《jigyeo》の創業者・SHOKOさんにお話を聞きます。10/27の公開をお楽しみに!