INTERVIEW
突撃👀編集部で噂のあの人【vol.3】イラストエージェンシー《vision track》さんとワイワイ業界トーク!
10月20日の🏮dōzoの日🏮を記念して、dōzo編集部が「気になるあの人」にインタビューを実施するこの企画。
ラストの第3回は、dōzo立ち上げの頃、イラスト界隈をディグりまくっていて見つけたvision trackさん。「ここのインスタ、素敵なイラストレーターさんを紹介しまくってて超有益じゃん!」と思いつつ、なんの会社なんだろう?と(私の中では)謎に包まれていました…。
そしてついに今回「あのvision trackさんの中の人」にインタビューさせてもらえる…!ということで、イラストレーターエージェンシーってどんな仕事?という超初歩的クエスチョンからイラストの楽しみ方まで、色々とお話を聞いてきました~!
VISION TRACK
1999年設立。日本、ロンドン、アジアに拠点をおくイラストレーターエージェンシー。「創る価値の最大化」を理念にイラストレーターが持つ独自性、創造性を活かし、ブランディング、プロモーション等において高い効果を発揮するヴィジュアルを提供しています
村山ゆかりさん
イラストレーターエージェント。音楽レーベルや音楽・芸能事務所などを経て、2022年にvision trackに入社。「三方よし」をモットーに、日々のお仕事やイラストレーターとの取り組みをしています。
dō:村山さん、今日はよろしくお願いします!インタビューできるのを楽しみにしてました。
村:こちらこそよろしくお願いします。上手に話せるかな(笑)
dō:私も緊張してます(笑)
ではでは、最初の質問を…。dōzoでは、ギフトのテーマごとに色々なイラストレーターさんに依頼をさせてもらっていまして。
vision trackさんはイラストレーターエージェンシーというお立場ですが、村山さんがお仕事の中で大切にしていることってありますか?
村:「イラストレーターさんの根源にあるものを知ること」を大事にしています。根源をしっかりと理解し、寄り添いながら、一緒に伴走していく。それがいちばん大事かと。
dō:なるほど、根源…。バックグラウンドのようなものですか?
村:はい。必ずそういうものがあるので、根源を知ることはとても重要なんです。あとは、イラストレーターさんがより長く活躍できるよう、今後の活動や取り組みについて一緒に話し合うこともありますね。
dō:そういったことも話せるのは心強いですね。イメージ的にはコンサルティングに近い感じでしょうか?
村:そうですね。ただ、こちらから(課題解決のために)提案するという感じではないんです。イラストレーターさんの話に耳を傾けて、気付きのきっかけをつくるような存在、だと思います。
村:特にコミュニケーションは大切にしていて、趣味の話をしたり、何気ない話をよくしますね。仕事の打ち合わせなのに雑談で盛り上がってしまうこともあります(笑)
やり取りを重ねていくことで、イラストレーターさんの考えていることや大事にしていることを知れますし、私たちエージェントとイラストレーターさんとの関係性も深まっていくんです。
答えは本人にしか分からない
dō:答えに導くというより伴走する、まさにパートナーみたいな関係ですね。長く所属されているイラストレーターさんも多いと聞きましたが、その理由が分かった気がします。
深く長くお付き合いしていると、その方がイラストレーターとして成長していくのを感じることもあるのでは?
S:そうですね。もともと魅力のある作品を描いていたけど、数年の間に成長される方も多いです。
dō:魅力がパッと開花する瞬間…とかってあるんでしょうか?
S:「あっ、スイッチが入ったな」と感じる瞬間はあります。その瞬間に立ち会うのがこの仕事の醍醐味かもしれませんね。
ただ、全員が全員、そうなるわけではありません。開花するためのスイッチというか、きっかけのようなものを、一緒に仕事しながら探しています。
どんな人の中にもスイッチはあると思います。でも正直な話、私たちに答えは分かりません。答えはイラストレーターさん本人にしか分からないんです。私たちはその手伝いをしているという感覚です。
村:もちろん「こうしたほうが人気が出るかもしれないな」と感じるときもあります。でも本人が求めてないのに、変化を促すようなまねは絶対にしたくありません。もしそれでなにかが生まれたとしても、そのクリエーティブには「強度」が足りないと思います。
「イラストレーターさんのアイデンティティを最優先し、できる範囲でサポートをしていく」。このスタイルを常に貫いています。
どんな仕事であれ、そこには人が必ず介在します
dō:vision trackのサイトを見ると、素敵な作家さんが沢山いますよね。あ、気になってたあの人だ!ってよく思います。どんな方法でイラストレーターさんを探してるんですか?
村:SNSやネットで作品をディグることもあるし、ギャラリーに伺うこともありますね。実際にイラストレーターさんと会話をし、交流を深め、お互いを理解することで、お仕事もしやすくなります。
dō:私たちもSNSはよく使いますが、やっぱり個展とかで実際にお話しを聞くと、情報量がぜんぜん違うなぁって思います。お仕事って人と人の交わりですし、リアルも大事ですよね。
村:そうですね。どんな仕事であれ、そこには人が必ず介在します。クライアントさん、イラストレーターさん、そして私たちエージェント。全員が気持ちよく仕事できるようにコミュニケーションを大切にしています。
創る価値の最大化
dō:お恥ずかしい話ですが、実はvision trackさんと出会うまで、イラストレーターエージェンシーという業種を知らなかったんです。
村:日本ではまだまだ聞き馴染みのない業種だと思います。私たちの努力不足もあると思いますが、そもそもエージェンシーという文化が根付いていないという背景もありますね。
dō:ということは、海外ではもっとポピュラーなんですか?
S:ロンドンとアジアに拠点があるので、海外でもよく仕事をしますが、特に欧米などの諸外国ではもっと存在感がありますね。国や地域にもよりますが、イラストレーターさんがエージェンシーに入るのは、わりと普通だったりします。
dō:文化や慣習によるんですね。
個人で活動されているイラストレーターさんだと「事務や経理に追われ、本業に集中できない」なんて話も聞きますよね。そういう意味でも、エージェントという存在がもっと普及したらいいなぁと思います。
S:まさにそういう面もサポートしたいと考えています。私たちの理念のひとつに「創る価値の最大化」というものがあって。イラストレーターさんが自分の力を最大限発揮できるようにするのも、私たちの重要な仕事なんです。
村:イラストレーターさんはそれぞれ個性や価値観を持っていますが、それと同じでクライアントさんにも考えや立場などがありますよね。
それぞれの状況に合わせて、私たちエージェントが仕事を進めたり環境を整えたりする。そうすることで、結果的に成果物のクオリティが上がり、クライアントさんにも喜んでいただける。これが私たちの考える「創る価値の最大化」のひとつでもあるんです。
dō:そう考えると、業務の幅が広いですよね。媒体も本、広告、WEBとか色々ありますし。業種はぜんぜん違いますけど、実はdōzoの運営もすごく幅が広いんですよ。たとえばこのインタビュー企画も初めての試みなんです。
村:そうだったんですか! 新しいことに挑戦するのって大変ですが、ワクワクしますよね。
dō:ですよね!初めてのことにチャレンジするたびに何かしら発見があるので、毎日楽しいです。
あらゆる人が、イラストに親しめる世界に
dō:SNSの普及もあってか、一昔前よりはイラストを見る機会が増えたような…。駅の広告とか、商業施設でもイラストのビジュアルが目立ちますよね?
…あ。でも仕事柄、ついイラストに沢山反応しちゃってるだけな気もしてきた…(笑)
村:わかります、気になる広告があるとついつい注目しちゃいますよね。これだけ広告にイラストを使うのは、日本独自の文化かもしれません。
dō:え、そうなんですか。やはり漫画とアニメの影響ですかね。
村:それも大きいと思います。
…でも、それほど身近な存在であるのに、イラストやアートにまだまだ「壁」を感じている方が多い気がします。たとえば好きな作家さんの個展に行く人って、ほんの一握りだと思うんですね。
dō:個展はそうですね…。SNSをフォローしていても、ギャラリーに足を運ぶっていうのは緊張しますし、ちょっとハードルが高いかもしれないです。
村:ですよね。もっとイラストやアートを身近なものとして感じられたらいいなと思います。
dō:村山さん的に、個展に行ったことがない方でも、気軽にイラストを楽しめるおすすめの方法って何かありますか?
村:そうですねえ、まずはステッカーやポストカードなど、手頃な価格で買えるものを、額装して飾ってみるのはどうでしょうか?
dō:ステッカーを額装!考えたことなかったです。でもすごく良さそう!
村:フレームに入れるだけでもぜんぜん違いますよね。今はおしゃれなフレームも安く買えますから、すぐに試せるかなと思います。
dō:やってみます!ステッカーとかポストカードとかDMとか、可愛いコレクションがめちゃめちゃ溜まってて。村山さんも、展示会に行くといろいろ買っちゃいません?
村:買っちゃいますねえ。もうぜったい買っちゃいます。
dō:ステッカーはさすがにもう貼るとこなくて…でも買うのをやめられない(笑)
村:それも分かります(笑) それくらい、あらゆる人がイラストに親しめる世界になったらいいですよね。
・・・・・・・
いかがでしたか?
わたし的には、謎多き(?)vision trackのことがかなり理解できたナイスな機会でした。村山さん、ありがとうございました!
実はインタビューの後も「この人知ってます?」「週末にこんなイベントあるんですけど…」などなどイラストの話題がお互いに尽きず、素敵なオフィスに長居して盛り上がっちゃいました。いや~楽しかったです!ほくほく。
さて、全3回のインタビューはこれにて終了!
初めての試みでしたが、普段の打合せではなかなかできない深掘りトークができて、あっという間の時間でした。これは定期的にやりたいなぁ。また企画します!
それでは、次回のマガジンをお楽しみに!