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思い出と物語をつめこんで。イラストレーター・norahiさんの作品づくり《dōzo art club》

ILLUSTRATOR

思い出と物語をつめこんで。イラストレーター・norahiさんの作品づくり《dōzo art club》

Editer:オノマエ

11月15日にリリースした、dōzoの公式アプリ。みなさんもうインストールしてくれましたか?

アプリの推しポイントはたくさんあるのですが…その中のひとつがアプリ限定のスマホ壁紙。dōzo編集部が注目しているイラストレーターさんが描いた描き下ろしのイラストを、月替わりでお届け。そして、それに連動したインタビュー記事も公開していきます!

記念すべき最初のインタビューは、dōzoのギフトテーマ「#102 ハッピーウェディング!」なども描いてくださったnorahiさん🎉

norahi 

1987年生まれ。桑沢デザイン研究所卒。
音楽・映画関連、雑誌、CDジャケット、アパレルブランドのビジュアル制作など様々な媒体で活動している。
線画やペインティングなど表現方法は様々。
WEB STOREInstagram

norahiさんの「毎年、秋に思い出すこと」


今回norahiさんには、秋の思い出を詰め込んだイラストを描いていただきました!

▼concept
いろんなことが感覚的に研ぎ澄まされる、秋は1年で一番大好きな季節。
心地の良い季節だから1日の時間が長くなってほしい。
秋生まれの実家の犬とたくさん遊びたい。
夜はぐっすり眠れちゃう。
いつかの秋に家族で行った南房総の椰子の木。ドライブ。
普段は隠しがちな悲しい・寂しい気持ちも隠さずにそのまま感じられる。

※イラストはdōzoアプリからダウンロードいただけます。アプリインストールはこちらから

——センチメンタルな雰囲気がぎゅっと濃縮されたイラストをありがとうございます!こだわりのポイントを教えてください。

描いた内容は「毎年、秋に思い出すこと」です。秋は一番好きな季節なので、好きなものを詰め込みました。
あと、空気が少し冷たくなって、風の匂いが少し寂しくなる秋に感じる時の気持ち、枯葉とか乾いた土のイメージとかを思い出して色付けしました。

——norahiさんの思い出と、自分の思い出が重なるような不思議な感覚にもなって、とても素敵な一枚です。
今回は思い出というテーマで描いてもらいましたが、日ごろはどういうところからインスピレーションを受けて制作することが多いですか?

言葉とか音楽、映画から影響を受けてます。ここの歌詞、こんな情景が思い浮かぶな~とか。

あとは、ふと見かけた樹木の形や色が犬っぽいな〜とか思ったり、友達の家の壁紙がグリーンで「次に壁がある絵を描くときはこの色を使おう」とか考えたりしてます。その時に写真を撮ったりメモしたりして、ノートに鉛筆でわーっと描いて、そのあとiPadで仕上げていくっていう感じですね。

日常の中にある不気味さが好き


——映画などからも影響を受けるとのことですが、どんな作品やコンテンツが好きですか?

映画は、グザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』やウォン・カーウァイ監督の『花様年華』が好きです。漫画で言うと『ドラえもん』。 最近面白かったのは『住みにごり』や『先生の白い嘘』、『フォビア』 『惨家』とか…。
なんか、日常のリアルさと、不気味なものや気持ち悪いことが合わさってるかんじがすごい好きかもしれないです。いけないものを見ちゃってる危うさがあるけど、他人事ではない、みたいな。

——norahiさんのイラストやお人柄からすると、ホラーっぽいのが好きなのは少し意外でした! ちなみに、ドラえもんってあんまり怖いイメージがなかったのですが…

実はけっこう、怖い話が多いんです! なんか「どくさいスイッチ」っていう道具をつかったら世界に誰もいなくなっちゃうっていう話があったり、「石ころぼうし」っていう帽子をかぶると全員自分のことを気にしなくなっちゃう話があったり。不思議な道具が挟まってるからSFっぽいんですけど日常の怖さがまじってるというか。

——そんな話があるなんて知らなかったです。 そういうホラーっぽさや不気味さは、絵にも取り入れようと意識してますか?

仕事だと、業種によってはNGが出ることもあるんですけど、好きに描いていい時はけっこう入れまくっちゃいます。怖い影とか細かい点々とか、なんだか分からないものとか不気味なテイストのものを入れるのは好きですね。

転機となった、友人からの言葉


——今はいろんな媒体で活躍されているnorahiさんですが、そもそもイラストレーターになろうと思ったきっかけは何でしょうか?

学生時代の友人の一言が背中を押してくれました。最初はグラフィックデザイナーになりたいと思って桑沢デザイン研究所という専門に入って、2年生まではグラフィックデザインもイラストも一通りすべて授業で経験をして。3年生になるときに、専攻をグラフィックデザインかイラストか決めなきゃいけない時があって迷ってたら、友人に「お前は、イラストだろ!」ってズバッと言われて(笑)。

↑ norahiさんが学生だった当時の、卒業制作。
“ BEATLESが自分たちで始めた「BEATLES RECORDS」から、彼らの曲のレコードがリデザインされて出た”という架空の設定で、12枚のレコードのジャケットデザインを制作したそう!

——そんな、ズバッと!でも、当時のnorahiさんの作品を見ると、たしかにお友だちがそうおっしゃったのも納得です。

すごい尊敬してる友達だったのもあってグッと響いて、そのままの流れでイラストレーションコースに進んで今に至るって感じです。いまでもその時の言葉が刻まれてます。
ちなみに、その数年後に私がイギリスへワーホリに行ったんですけど、その時に「お前、ワーホリに行け!」って言ってくれたのもその子で。いろんな岐路のきっかけをもらえてる友達です。今でもたまに連絡をとって、仕事とか暮らしのこととか、アツい話をしてます。

——すごく素敵な関係ですね…!

norahiさんのギフトバナシ


——せっかくなのでギフトサービスのdōzoらしく、ギフトのお話も聞かせてください。

印象に残ってるのは、同じ時期に二人の友達が『バンさんと彦一』という漫画をそれぞれ1冊ずつくれて、いまそれが家に2冊あることです(笑)。
二人とも、もともとその作者さんの作品が好きだっていう話を過去にしていたので、それを思い出してくれて「新作だよ~!」ってプレゼントしてくれて。私のこと考えてくれたんだろうなってすごく嬉しかったです。

——それは嬉しいですね!
では反対に、norahiさんがギフトを贈る時こだわっていることはありますか?

重くならないように、食べ物消えものを選びがちですね。私がクッキー缶をいただくのがすっごい嬉しくてけっこうあげることが多いです。クッキーもおいしいし缶もかわいいし、パーフェクトなギフトでは!?と思ってます。半蔵門のローザー洋菓子店、鎌倉のベルグフェルドのクッキー缶が大好きです。

あとは、この間は台湾のお友だちの家に4泊させてもらえることになったので、ビュリーのフレグランスマッチをお土産にあげました。お仕事関係の方から頂いたことがあるんですけど、私は気持ちを切り替える時とかに使っていて。その台湾の友達が店舗に行ったことがないと言っていたのと、ビュリーは名入れできるのも素敵だな~と思ってプレゼントしました。

——マッチだと相手に気を遣わせすぎない感じもいいですね。norahiさん、ギフト上手…!

いえいえ、私のまわりにギフトの猛者がたくさんいるので…。あとは、さっき重くならないようにって言いましたけど、仲がいい友達には自分が作ったグッズをあげたりします(笑)。

——うらやましい! イラストとなると、データか原画かだと思いますが、だれかに贈ったりできるという意味でも、アパレルやグッズがあるのってすごく素敵ですね。

細部までこだわった、新ブランド「YOLK」


——norahiさんは、数年前からアパレルブランド「ukabuapparel
」を手掛けてましたが、今年の5月から新ブランドの YOLK(ヨーク)を立ち上げられましたね。本当に、どのお洋服もめちゃめちゃかわいいです。

ありがとうございます。ちょっとずついろいろ作れればなと思ってます。AW/SS、みたいなアパレルのペースで出すのではなくて、つくることに関わる人みんなが全員無理しないように、ゆっくり私のペースでやれたらなと。

——イラストはどんなコンセプトなんでしょうか。

例えば「VEGETABLE CLUB」スウェットは、私と、私の姪っ子が、野菜が嫌いで。野菜を食べれない大人って、かっこよく言えばマイノリティみたいな感じかなと思うので(笑)、そういう大人が子どもといっしょに野菜を克服しよう!がんばろう!ってできたらいいなって気持ちで作りました。

「READ A LETTER」フーディーは、いま私の実家にいるワンちゃんが、天国にいる先代のワンちゃんからの手紙を読んでいるっていうイメージです。説明してやっと分かるくらいの絵というか、そういうエピソードが隠されてるよって感じで描きました。

——切ない…!norahiさんのイラストってストーリーを感じるなと前から思っていたので、こういうお話を聞けてとてもうれしいです。「READ A LETTER」フーディーは、型も特徴的ですね。

YOLKはぜんぶ型から作っていただいていて。こういう雰囲気の服が作りたいですっていう希望をもとにパタンナーさんがサンプルを作ってくださって、「ここはもっとこうしたい」とか話しながら作ってました。

↑ トートバッグやキャップもnorahiさんのこだわりが詰まっていてとても素敵です。YOLKの最新情報はInstagramを要チェック!

これからやってみたいこと


——幅広く活動していらっしゃるnorahiさんですが、今後やってみたいことはありますか。


海外に3ヶ月くらい、語学学校に行きたいです。「大人になってからのほうが“勉強したい”って気持ちが強くなる」って昔に聞いてた時は、本当かな?って思ってたんですけど、本当だなって(笑)。英語とかもう一回勉強したいなーと最近強く思います。物価のこととか考えなくてよければアメリカのどこかか、イギリスもワーホリ以来行けていないのでどちらかに行きたいですね。

——いいですね! もし行かれたらぜひ感想とか教えてください。 お仕事や制作のほうではどうですか?

制作物に関しては、今はアパレル系のお仕事とかデジタル納品のものが多いので、キャンバスに作品を描くことをしばらくやっていないということに気づいて。そういうのとか、違うプロセスの絵とかも描きたいなと最近思ってます。

——norahiさんの壁画アートとか、めちゃくちゃ大きい作品とか見てみたいです。

いいですね。壁画は2mくらいのはやったことあるんですけどそれ以上のことはやったことないので。…どなたか、やらせてもらえるところがいらっしゃれば…(笑) 。 チャレンジしてみたいです!

 

norahiさんの個展が、熱海分福にて1/26まで開催中!
インタビューでも話していたキャンバス原画や陶芸作品などが展示されています。

🌴♨🌴♨🌴

norahi SOLO SHOW

"OVER & OVER & OVER"
2024.11/01 fri - 2025.01/26 sun
at @atamibunbuku
〒413-0018 静岡県熱海市渚町11-13

私をつくってきたものはいつでも身近な記憶
身近な記憶とは例えば夢で見た黄色いメモ帳
そこにあるとまるで異国の南の島に来たような気にさせてくれるヤシの木の形の好ましさ
働きすぎて思考が停止した時の思い出
そろそろ記憶が貯まってきたころだから
記憶を形にしてみようかな
そうやって、これからも感情を、思い出を、目に見えた色を、
繰り返し繰り返し吸いこんだり吐き出したりしていく

※入場無料
※熱海で開催中のアートフェスティバル「ATAMI ART GRANT 2024」の一環としての参加ですが、「ATAMI ART GRANT 2024」の開催日程は12/1までとなりますのでご注意ください
※熱海分福の営業日は熱海分福のinstagramよりご確認ください

聞き手・文/dōzo編集部 オノマエ、カワツ
写真/norahiさんご提供

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