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イラストレーター・大津萌乃さんが描く「暮らしと装い」《dōzo art club》

ILLUSTRATOR

イラストレーター・大津萌乃さんが描く「暮らしと装い」《dōzo art club》

Editer:dōzo編集部

こんにちは!dōzoライターのやぎです。

新年度がはじまって少し落ち着いてきた頃。気持ちのよい気候で、GWはお出かけや旅行に行く方も多そうですね!(いまくらいの天気がずっと続いてほしい…!)

5月のdōzo限定スマホ壁紙を描いてくださったのは、イラストレーターの大津萌乃さん。
気分がぱっと明るくなるさわやかな山々と、田植えをする女性のファッションが可愛らしい作品。思わず自然に触れたくなるような世界を届けてくれました。

今回はそんな大津さんに、壁紙制作だけでなく、作風のルーツや、今後やってみたいことまでたっぷりとお話を聞いてみました。

大津萌乃 

茨城県出身。多摩美術大学卒業。
書籍の装画・挿絵、広告、webなどの仕事を手掛けています。滑らかで気持ちのいい線が好きです。

Instagram


田んぼに囲まれて育った、あの日の記憶

↑ イラストはdōzoアプリからダウンロードできます。アプリインストールはこちらから

——5月にぴったりな、爽やかな壁紙をありがとうございます!今回「田植え」をモチーフに選んだ理由を教えてください。

茨城県の田んぼに囲まれた場所で育ったので、小さなころから5月といえば「田植え」というイメージなんです。
GWになると、近所の友達や田んぼを持っているお家の人たちが田植えをする姿を見てきたので、私にとって田植えは5月の風物詩です。


——田植えが身近だったのですね。農作業の服装まで、リアルに描かれているのが印象的でした!

農家さんが履いているズボン、実は孫の着なくなった中学のジャージだったりするんですよ(笑)。
あとは、日焼け対策用のアームカバーは、女性向けのものだと花柄とかファンシーなものが多いんです。ファンシーなアームカバーと、孫からのお下がりジャージのギャップが面白くて農作業の服装が好きなんです。

水彩と赤い輪郭で、“体温”を感じる絵に


——壁紙の制作過程で特にこだわったところや工夫したところを教えてください。

3、4月の壁紙があたたかみのある色がベースだったので、今回は新緑の季節らしく、山や田んぼのみずみずしさを色で表現してみました。人物の服装は、緑が映えるようピンクや紫を使い、対比してきれいに見えるように意識して着彩しました。
それから、最近背景をベタ、人物を水彩で描いてみることが多いのですが、そうすると情報量が少なくなり、色に幅を持たせることができるんです。すっきり見せつつも、人物はしっかり書き込みたいという思いがあって、技法を変えてみています。

——人物を水彩で描くことで、人の体温が感じられる気がします。

体温を感じるという部分で言うと、私はよく人物の肌の輪郭だけ赤く描くんです。
これは色のアクセントとしての意味合いもあるのですが、肌の温度感とかやわらかさも表現したくて、赤を使っています。


——肌を赤で描くようになったきっかけは?

イラストレーターを始めたての頃、「黒と赤とグレーだけ」みたいに色数を限って描いていた時期があったんです。

その時、肌を赤で描いた絵を見たデザイナーの方から「この絵いいね」とお仕事をもらえたことがあって。
反応をもらえたことで、この表現はいいのかもしれないと思い、そこから続けています。

幼い頃のお祭り体験が、今の作風へ


——大津さんは、元々はデザイナーとして働いていたと伺いました。


はい。小さなデザイン事務所で働いていいました。実は、デザインのスキルではなくてポートフォリオに載せていた絵を「面白いね」と言ってもらえたことがきっかけで、アルバイトとして入ったんです。

——すごい!そこからイラストのお仕事にもつながっていったんですか?

そうなんです。ある時、事務所の社長が「TOKYO ART BOOK FAIR」に出展することになって、お祭りの衣装の絵をまとめたZINEを作らせてもらったこともありました。

※「TOKYO ART BOOK FAIR」のために制作したZINE

大学の卒業制作では、大正時代の日本を舞台にした民族風土の絵本も作ったりして。昔から、お祭りやちょっと変わった服に自然と惹かれていたんだと思います。

——お祭りや民族衣装に惹かれた原体験はあるんですか?

はい。田舎育ちだったので、変わったお祭りに触れる機会が多かったです!十五夜のお祭りで、いろんな神様の仮面をかぶった人たちが演目を踊る、みたいなちょっと不思議な光景をよく見ていました。登場する人の衣装が面白いなぁと思いながら見ていたことが、お祭り衣装や、民族衣装に興味を持ったきっかけなのかもしれないです。

世界中の「変わった服」にときめいて


——だから大津さんの絵には、民族衣装モチーフのものが多いのですね!

そうですね。大学の時には、ヨーロッパの服飾史の本を借りて、ひたすら模写したこともありました。民族衣装って、機能性や文化がデザインに現れていて、本当に面白いなって思います。

※大津さんInstagramより

——衣装に興味を持ったことから、ファッションの仕事をしようとは思わなかったのでしょうか?

流行にはあまり興味がなくて(笑)。だから、ファッション業界じゃなくて、「絵として服を描く」道を選びました。

——最近印象に残ってる衣装やデザインはありますか?

私の好みですと、中国とかの民族衣装が好きで、スタンドカラーの首がつまったデザインや、刺繍が緻密なデザインが好きです。あとは、今回のイラストに描いたような、実用的なデザインも結構好きです。
去年ちょっと流行った「空調服(扇風機が付いた作業服)」とか面白いですよね(笑)。

——今後ファッションにまつわる作品の制作や新しい技法など、挑戦してみたいことはありますか?

そうですね。変わった服を着た人を描き続けたいと思っていますし、アパレルのお仕事をしてみたいです。
今年の初めに、スカーフの柄を描かせてもらったんですが、そのお仕事は絵を布に転写するものだったので、今後は着るものを形から一緒に考えたりするようなお仕事ができたら嬉しいなと思っています。

唯一無二の作品を贈り合う、大津さんのギフト事情


——最後に、「dōzo」にちなんで、最近のギフト事情について教えてください!

去年と今年はできていないのですが、イラストレーターの友達のunpisさんとお互いの誕生日に似顔絵を描いて贈り合っているんです!

※unpisさんが描いた大津さんの似顔絵

私は『スプラトゥーン』とエビがすごく好きなので、ゲームに出てくる衣装を着せてもらって、肩にエビをのせた絵を描いてもらいました(笑)。
自分の好きなものを描いてもらえるのは友達ならではですし、嬉しかったですね。
私はunpisさんがハマっている『ザ・ファブル』という漫画のキャラクターとunpisさんを並べたイラストを贈りました(笑)。

——イラストレーターさんだからこそ贈ることのできる、あたたかくて素敵な贈りものですね!
今回はインタビューさせていただき、ありがとうございました!

🍀 大津さんの壁紙は、dōzoアプリからどーぞ!

新緑の季節にぴったりな大津萌乃さんの壁紙は、dōzoアプリでダウンロードできます!
ぜひスマホでも、大津さんの世界観を楽しんでみてください!

■ダウンロード方法
1. dōzo公式アプリをダウンロード
2.アプリの会員登録をして、ホーム画面を一番下までスクロールすると、「Wall Paper 今月の壁紙」が出てきます
3. 「壁紙をダウンロードする」ボタンをタップして、壁紙を表示
 ※過去の壁紙は「過去の壁紙を見る」をタップ→壁紙画像をタップして、壁紙を表示
4. 左下のシェアボタンをタップ→「画像を保存」で保存ができます!

Text:やぎ (@yagichan.21)
Edit:dōzo編集部
Photo:大津萌乃さんご提供

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