INTERVIEW
教えて教えて! みんなのギフト事情 《写真家・服部恭平さん》
人生いろいろ、ギフトもいろいろ。
ひとくちにギフトと言っても、100人いれば100通りの思い出やアイデアがある。そして“その人らしさ”もそこに詰まっているよね!とdōzo編集部は考えます。
「みんなのギフトの話が気になる!」そんなシンプルかつ強い欲求からはじまった連載『教えて教えて! みんなのギフト事情 』では、dōzo編集部がいま気になるヒトに迫って、ギフトにまつわる話をインタビューしていきます。
記念すべき第一回に登場するのは、写真家として活躍する服部恭平さん。モノに対するこだわりがあって、友達と過ごす時間を大事にする彼だからこそのギフト話を伺うことができました。
服部恭平 Kyohei Hattori
1991年、大阪府茨木市生まれ。東京在住の写真家。2018年にファッションモデルとして活動する傍ら写真を始める。自分の日常の中で新たな視点を探し、作品を制作している。
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旅行のお土産はいっぱい買って「好きなの選んでね」スタイルで
——普段、友達とかとプレゼントを贈りあったりしますか?
贈りあうっていうのは好きですね。けどなんかその…僕、モノのこだわりが激しくて、すごい難しいんです。
たとえば旅行とかするじゃないですか。空港でお菓子とか買いますよね、みんな。あれができないんですよ。自分が好きなものとか食べて美味しかったものとかじゃないと買えないんです。
あ、もらう場合はなんでも嬉しいですよ。でも、活用できないかな…っていう時はけっこうありますかね。周りからもプライベートがあんまり分かんないと思われてるのか「何が好きなの?」 「ふだん何食べてるの?」とかめちゃよく聞かれます。全然バナナとかヨーグルトとか食べてるんですけど。
——たしかに、ミステリアスな雰囲気ありますよね…! じゃあ、そんな服部さんがもらって嬉しかったものを聞いてもいいですか。
今日も着けてるんですけど、インドに旅行いった友達からもらった、9個の石がついた指輪ですね。
この9個の石にも、インドではそれぞれ意味があるらしいんですよ。こういう伝統的なものは、自分的にはすごいリスペクトしやすいし、デザイン的な好みにもすごく合ってました。
これをくれたのは、けっこう長い友達で。なんかインドの指輪とかブレスレットとか、いろいろと買ってきて「この中から好きなのあったら…」ってかんじで見せてくれて。その、こっちが選べる感じも、すごいよかったです。
——そのお土産スタイル、いいですね! 贈るほうも受けとるほうも、お互い気を遣いすぎないというか。
いま振り返れば僕も、同じようにしてますね。パリによく仕事で行くんですけど、キーホルダーとかピンバッジとかを大量に買ってきて。
あと、海外のスーパーのエコバッグとかもめっちゃ好きなんですよ。現地の土産屋さんに行って、良い具合にダサかったり、デザインが良いと思えるものをすごい探します。それを大量に買ってきて、友達とかに配ったりしてます。
撮ることを通して、たのしい時間を過ごすのが一番
——ちょうど今、アニエスベー 渋谷店CAFE・京都BAL店で服部さんの写真展が開催中ですよね。展示写真のモデルになった方たちのほとんどが服部さんのお友達だと伺いました。依頼するときに意識したことや共通点とかはあるんでしょうか?
モデルの仕事をやってる人だけじゃなくて、いろんなタイプの人がいたらいいなと思って集めました。あとは、アニエスベー好きそうだなとか、協力してくれそうな間柄で。
——友達を撮ることって、プロのモデルさんを撮るよりも難しかったり恥ずかしかったりするんじゃないかなと勝手に想像したのですが、そのあたりはどうなんでしょうか。
なんというか…僕の場合は、写真は撮るんですけど、撮ることが一番の目的ではないというか。友達と会って、時間を共有して、楽しい一日を過ごす…みたいなのが、一番の目的だったりするので。その中に“写真を撮ること”があったほうが、一緒に良い時間を共有しやすいっていうだけなんですよ。
腹割って会話するときは一対一のほうがいいのと同じで、写真撮るときは大体、一対一で撮ります。他の人がいると恥ずかしいです、おっしゃる通り。
——まずは良い一日を過ごしたい、と。そういう根本的な気持ちを忘れないのは大切ですね。
はい。僕は今、幸せに生きたくて、そのために写真がある。そこをはき違えると、何をやっているのかよく分からなくなっちゃうんじゃないかなと。まあ仕事だと撮らなきゃいけないので、そうも言ってられないですけどね。
——ちなみに、撮ったお写真を友達にプレゼントされることはありますか?
基本的には、データはみんなに送ります。言葉で伝えるのが僕はあんまりうまくないので、写真で言いたいことを言っているつもりなんです。
「この花の色がすごい」とか「夕焼けが綺麗だ」とかと同じで「この人のこういう表情や仕草がいいな、素敵だな」と思いながら撮ってます。だからそれに対して喜んでくれるのは、意思疎通がとれた感じがするというか。とてもうれしいですね。
——それはもしかすると、しゃべること以上に深いコミュニケーションかもしれないですね。いやあ、そんな素敵なお話まで伺えてよかったです。
こんな話で大丈夫ですか?記事になります?
——はい、大丈夫以上です(?)!
うーん、でも全然感触が無いんですけど…。
あ、ギフトって言っていいか分かんないけど、うれしかったこと、思い出しました。一個。
つらいけど楽しかった誕生日
——おお、ぜひ教えてください。
自分の誕生日に、初めて富士急ハイランドに行ったんですよ。仲いい友達に誘われて、三人で。富士急いって、ほうとう食べて、温泉いって帰ってきたんですけど。それはすごいよかったですね。
——誕生日にそうやって友達が誘ってくれるの、うれしいですね! 服部さんは絶叫系が好きなんですか?
いや、昔から絶叫がめっちゃ嫌いだったんですよ。
——えっ! それは…よく行きましたね。富士急って絶叫系ばっかりじゃないですか。
でももうジェットコースターに乗るのも十何年ぶりだから、いま乗ってみたら平気かも!楽しいかも、遊園地だし!と思って。現地ではみんな当たり前に乗ってますしね。
で、一応、何個か乗ったんですけど…はい……。やっぱり全然、無理でした。もう本当につらくて! なんで誕生日にこんなにつらい思いしなきゃいけないんだって。
——あららら…(笑)。
でも、自分を知れたというか、それはそれで経験としてよかったなと。つらかったけど楽しかったです。たぶん僕、まだ経験してないことに関してはかなり興味があるほうで。だから今回、初めての富士急に、行こうよ!って誘ってもらえて。すごいうれしかったですね。
——たとえば次、バンジージャンプしようよって誘われたらどうします?
うーん……たぶん、やると思います(笑)。
でもそんな怖いことばっかりしたいわけじゃないですよ! 「●●行こうよ」とか「あそこのお店が美味しいから食べに行こうよ」とかも、もちろんすごいうれしいですね。
写真を撮ることも、そういう好奇心からきてると思います。あの角を曲がった先の景色が気になる、みたいな。人に対してもそう。そういう気持ちがすごいあるから、写真も続いてるんじゃないかなと思います。
『Through the lens of Kyohei Hattori 服部恭平と見た東京』
会場:アニエスべー 渋谷店CAFE
東京都渋谷区神宮前6-19-14
会期:2024年7月11日(木)~9月10日(火)
時間:11:00 – 20:00
会場:アニエスべー 京都BAL店
京都市中京区河原町通三条下ル2丁目山崎町251京都BAL3階
会期:2024年7月24日(水)~8月30日(金)
時間:11:00 – 20:00
文/dōzo編集部 オノマエ
写真/服部さんご提供